英語の出来ない人はPCをやっているわけですが、独自のプログラムはネタが限られるので、これをやっております。
今やっているのはこれ。
DNA–Carbon Nanotube Conjugates Prepared by a Versatile Method Using Streptavidin–Biotin Recognition
カーボンナノチューブにDNAをかぶせて、さらに蛋白質をかぶせて、何かに使おうという話です。
これが終わると、次はこれです。
電磁気に出てくるケルビンフォースでDNAやカーボンナノチューブ表面の静電ポテンシャルをはかるという話です。ご関心ある方は水曜11時に来てみてくださいネ
5月に入りまして、今度は細胞です。
これはやはり微細加工で作った箱にいろいろな細胞を閉じ込めるのですが、これの場合は、トランペット型に作ってあり、さらに箱の底面に車止めが作ってあるのです。そして、トランペットの細い方から広がる方向に、液を流しながら細胞を入れるわけです。そうすると、車止めに引っかかりながら細胞が箱のなかを動くわけですが、そこでいろいろなことがわかる、というのです。
二つ目はこれです。
分子1個の導電率を顕微鏡で測るというものです。分子としては、カーボンナノチューブとDNAが出てきます。装置は自作のようですね。
まず最初は日本人が書いたものということで、これを取り上げました。やはり、日本人の英語は読みやすいですからね。
大腸菌を、微細加工した微小な箱の中に閉じ込める、という話です。
当ブログを初期段階から見ている人がご存知でしょうが、当初は論文紹介みたいな企画もあったわけです。が、どのような論文を見ているか、というのもちょっとした情報で、同業者が当ブログを見てしまうと、こちらの手の内を読めてしまうのではないか、ということでやめにしたわけです。
例えば、PCパーツのカタログを取り寄せれば、PCを作ろうとしているのか、と読まれてしまうわけです。ですので通常は、必要のないカタログまでいろいろ取り寄せて、どれが本当に見たいカタログなのかはわからないようにしているわけです。
そういうわけで仕事の話はまったくしなくなった当ブログですが、ちょっと情報漏えいをしてみたいと思います。今はTOEIC500でグループ分けして、500以上の人は英語論文を読み、500未満の人はPCをやっているわけですが、英語の方はいまは5人でやっていて、毎回全員に番が回り、2週間でひとつのペースで読めるようになってきました。これは要約ではなく、一文ずつ見ていくわけです。
ACS NANOの2009年11月号に出ているやけに長いタイトルの論文。
単層のカーボンナノチューブをDNAで包み、さらに量子ドットをつけたというので、作り方のレシピが載っているんジャマイカと思って読んだところ、作り方については文献23をみよ、ということで終わっていました。23番は、これも2009年発表の論文で、Smallという論文誌に載っている
Water-Soluble DNA-Wrapped Single-Walled Carbon-Nanotube/Quantum-Dot Complexes
ですね。これを読みたいですが、●●大の図書館にはないようです。ほかで見せてもらわないと。
で、作り方は載っていないとしたら何が書いてあるのかというと、測定技術の話でした。作製した「DNA包み単層カーボンナノチューブ量子ドットつき」をひとつ持ってきて、原子間力顕微鏡、顕微ラマン、蛍光顕微鏡、といった複数の方法で観察したというのです。複数の方法で観察して比べることで、いろんな情報が得られるということです。ただ、なんだかぐちゃぐちゃに寄り集まったナノチューブが見えていて、もうちょっとチューブらしく見えないのかな、という気もしました。いろいろ細かい議論もあるんですが、そこはまず、作り方から読まないと理解できないような気がしています。早急に、作り方のレシピを手に入れないと…。
関東は秘密です。
休止していた研究紹介を、ぼちぼち再開しようかと思います。
休止していた理由というのは、自分の商売にあまりにも近いものを取り上げると、こちらが考えていることが透けて見えてしまい、ライバル社に作戦を読まれてしまうのではないか、ということです。かといって、遠いものを取り上げてもあまり仕事の役に立ちませんし、細かいことまでは理解できないですし。
しかし、少し休んでみて、上記のどちらでもないような、自分の仕事に直結するわけではないけれども、何かヒントになるようなもの、というくくりで行けば、多少取り上げてもいいかと思い直して。
Lab on a Chipというチップ専門誌の最近の号。
台湾のグループです。
シリコンウエハの表面に疏水的な自己組織化膜を作るんですが、基板にあらかじめ溝をほっておく。溝は一様ではなく、突起の多い状態から段階的に、へこみの多い状態に変化させてある。図をみれば一目瞭然なんですが、言葉だけだと分かりづらいですね。
突起の多い部分に水滴を垂らすと、疏水的な自己組織化膜と水滴との接触面積が大きいので超撥水となり、水滴は球状になります。そして、へこみの多い部分に移動していくというのです。なぜなら、へこみの多い部分では水滴と疏水的な膜との接触面積が小さくなり、超撥水ではなく通常の撥水状態となるから。水滴は球から平らになっていきます。結果的に、水滴は基板の表面を輸送されるというわけです。
具体的には、100ミリ秒で数mmくらい動くという連続写真が載っています。
なるほどという感じですが、この技術は何に使えるだろうか・・・いろいろ使えそうですが、コメントは差し控えることにいたしましょう。
旅日記になっていたためサボっていた外部動向調査。
今回は米国化学会の論文誌JACS掲載の
koreha
こういうのをあまりフォローしてませんでしたが、ちょっと読んでみました。
まず、カーボンナノチューブをDNAをラッピングします。これはどうも、1本鎖DNAであればただ混ぜるだけで非共有結合でくっつくようです。このくっつく現象は興味ありますが、別論文が紹介してあるので後日見てみることにしましょう…と思って文献名をみると、Nature Materials。これはあれですね、つい先日ご紹介した、
この話とつながる気がします。どうも、カーボンナノチューブとDNAはこんな関係にあるようです。
さて、この論文では、いろいろなDNAを合成して(短いDNAは人工的に作れますので)、カーボンナノチューブをつつんで、いちいち顕微鏡で観察して、DNAの長さに応じてチューブを太くなることを確認しています。そして、このDNAの末端に硫黄を仕込んでいます。
DNAの末端に硫黄を仕込むのは、これも簡単にできます。こういうのはそういうのを作ってくれる業者があって、ひところそういう会社のベンチャーが一杯できましたが、安売り競争になって儲かっていません。ですので、こういう細工したDNAは素人でも、1万円以下でできてしまうのです。生ものをかまった事がなくても、知識としてDNAの配列を理解していれば…。
で、できたものはカーボンナノチューブが心棒のようにあり、その周りをDNAでくるみ、そしてそのDNAの端っこに硫黄が付いている、そういう棒ということになります。そして、そこへ量子ドットを入れてやると、量子ドットが硫黄にくっついて、ちょうど取っ手のついた提灯みたいな形のものができるというのです。つまり、提灯の部分が量子ドット、手で持つ取っ手の部分がカーボンナノチューブといったところ。
画像を張り込んでみるとこんな感じ。

いや~この手の流行ってるんですね。おいらも参入しよか。。。
さて、会議の内容はご主人様に報告しなければというのがメイド職人の掟なのであまりここに書き込みできませんが、ここもと急速にはやってきているのはやはりグラフェンですね。ナノチュブは依然として人気ありますが。こういうはやりのテーマは、多くの人がやっていますので、手がける場合は勝算があるかをよく考える必要があります。会社などもそうですが、自社の都合で予定を組んでしまうというミスが多いです。強豪相手の予定をまず考えて、それを上回る計画にしないと勝率が下がってしまうと思いますが・・・。
昨日は19:30終了のところ、30分近くおくれて20時ごろ終了。日本時間では深夜3痔ですので、かなり眠い状態で、その後はぐっすり眠れました。が、本当は、21時から24時まで懇親会があったようです。日本時間では朝4時から7時までですので、とても出席できませんでしたが。盛り上がったのでしょうか…。
しかし、ここからがスペインで、日本的な発想だといくら前日懇親会をやっても、翌日は朝市からと考えてしまいますが、なんと今日の会議は13時からで午前中は休みとのこと。これはなかなか。というか、13時から始めると、シエスタはどうなるのでしょうか? 午前が休みの場合はシエスタはないんでしょうか? よくわかりませんが、面白いです。今朝8時くらい、でこれから昼までどうするか? 締切はイパイですが・・・。
2009年7月1日号のNanotechnology誌掲載
データベース検索で、「DNA AND AFM」と入れたら出てきたので、帰りの電車で読みました。わざわざ机に向かって読むような内容ではございません。
どういう話かというと、1個だけの金ナノ粒子は「0次元」であるというわけです。すると、このナノ粒子をひも状に並べれば、それは「1次元」である、ということになります。
この論文は、金のナノ粒子をひも状(1次元)にする方法を開発した、という内容です。何のため、という突っ込みもあろうかと思いますが、ナノ粒子をただ集めればぐちゃぐちゃになってしまうはずなので、それがうまいことひも状に並ぶのなら、それは価値があるということでしょう。
やり方として、二通り提案しています。一つは、まず雲母板をP4VPという高分子(ビニルピリジンのようです)に浸して、基板表面をこの高分子でおおっておき、それをいったん硝酸銅と水で洗った後(これは電荷を与える目的)、この基板をMPA(メルカプトプロピオン酸)に結合させた金ナノ粒子の溶液につけると、なんと金ナノ粒子が基板上でひも状に並ぶというもの。
もうひとつの方法は、まずMPAに結合させた金ナノ粒子と硝酸銅溶液を混ぜておき、さらにP4VPも混ぜてしまう。要するに基板につける前に全部混ぜる。重要なのはpHで、これをうまいこと調節すると、溶液中で金ナノ粒子がひも状になる、というのです。
電荷をうまい具合に与えると、ただ集合するのではなく、1次元に並ぶ、ということのようです。
いったいこの論文のどこがDNAなんだ、ということになるんですが、基本的に関係ありません。ではなぜ検索でひっかかったかというと、確かに本文中にDNAという言葉が出てくるのです。それは、過去の研究の中で、DNAを鋳型にして、DNAに沿って金ナノ粒子を並べた事例がある、ということです。金ナノ粒子を並べる研究という分野が、ある程度あるということですね。そっちを読めばよかったかも。
さて・・・この論文を読んでいて、思わずニヤリとしたところがあります。このグループは、中国は吉林省の長春応用化学研究所の人たちです。この研究所はおいらも滞在したことがあり、夏場はクーラーいらず、●井沢なんてものじゃない快適なところです。ただ、滞在したときは冬場でして、なんとマイナス20度。コートは持って行ったんですが、「そんなんじゃだめ~~~~死ぬよ」とものすごい顔をして研究所の人が汚い防寒服を貸してくれました。
それはいいとして、この論文の中で、雲母板をどこで買ったのか、「purchased from Linhe Street Commodity Marketplace」とあります。長春の街中の市場で買った、というわけです。実験材料というのも専門業者から買うことが多いわけですが、こういうのどかなのもよいです。
Linheというのは漢字で書くと臨河ということになりますが、最近は長春にも日本人の駐在員など多く、リ臨河街で買い物しました、なんているブログがありますね。
長春はなにしろ関東軍の司令部があったところ(建物はいまでもあります)で、日本とは縁のある街です。
ちょっと新鮮味に欠けますが、2006年のNano Letters掲載のジョージア工科大の論文
これはどういう話かというと、生物の作る形というのはなかなか精密で、人間がまねして作りづらいものもある。蝶の羽の表面もその一つで、かなり精密なナノ構造を持っていて、それも蝶がいろいろな色をしているというのがこのナノ構造の光学特性に由来しているということ。
そこで、蝶の羽の表面を酸化アルミニウムでコーティングして、そのあとで羽を溶かしてしまうというのがこの人たちの実験。すると、羽のナノ構造を写し取った酸化アルミニウムの膜ができるというわけ。こういうのをレプリカといいますが。
ただレプリカを作っただけでもちょっとした論文は書けるとは思いますが、Nano Lettersはハイレベルな論文誌ですので、ただレプリカを作っただけでは掲載されないでしょう。
彼らの職人芸は、酸化アルミニウムの厚さを10ナノメートルずつ変えてレプリカを作り分けるというところ。蝶そのものはもともと青色。それが、10ナノメートルの厚さでレプリカを作るとなんと緑色になる、20ナノメートルだと黄色に、30ナノメートルだとオレンジに、40ナノメートルだと赤色に、と色が違うレプリカを作ったのです。
色が違うということは、光学特性が違うということなもので、厚さの違うレプリカをいろいろ作ればナノサイズの光学部品として使えるだろうというのが彼らの能書き。さらに、蝶の羽というのは、末広がりというか扇のような形をしていますので、ナノ構造には微妙に向きがあって、これを利用すると「ビームスプリッタ」という部品に使えるだろう、ということです。
蝶のほかにもいろいろやられており、蝉の羽のレプリカという研究もあります。これは某大学の授業でも取り上げるようですが…。
手前どものほうでは、蝶や蝉ではなく、海や温泉に住む生物のレプリカをやっております。なぜ海や温泉のものを選んだかといえば・・・お仕事で万座ビーチや草津温泉に行けますから・・・今のところまだ行くチャンスがありませんが…
自分のやっている業務上の秘密は書けませんが、他人様の面白い事例なら書いてみますわ。
先月のNatureにでていたDNAでカーボンナノチューブを選別するという話。
単層カーボンナノチューブはナノデバイスによく使われているけれども、実は同じように作ってもキラリティーの違うものができてしまい、微妙に物性が違ってしまう。それだとデバイスの性能が一定にならないので、ナノチューブを選別したいのだが、容易でない。
ところが、2003年頃に、カーボンナノチューブにDNAを混ぜると、なぜかDNAがナノチューブに巻きつくことがわかり、DNAが巻きついたナノチューブはうまくバラけてくれるので選別しやすくなる、というようなことが出てきた。
元論文はこれみたいですね。
DNAによるCNTの分散と分離
で、その後はDNAとカーボンナノチューブを混ぜる研究がドバドバ出てきたわけですが・・・
今回の論文では、DNAの塩基配列をいろいろ変えてやると、特定のキラリティのナノチューブによく巻きつくことがわかり、この性質を使って一定のキラリティのナノチューブを選別できる、ということのようです。やっているグループはデュポンほか。
いや~流行っとりますな~