DNAとカーボンナノチューブと量子ドット

旅日記になっていたためサボっていた外部動向調査。

今回は米国化学会の論文誌JACS掲載の

Atomic Force Microscopy Studies of DNA-Wrapped Carbon Nanotube Structure and Binding to Quantum Dots

koreha

こういうのをあまりフォローしてませんでしたが、ちょっと読んでみました。

まず、カーボンナノチューブをDNAをラッピングします。これはどうも、1本鎖DNAであればただ混ぜるだけで非共有結合でくっつくようです。このくっつく現象は興味ありますが、別論文が紹介してあるので後日見てみることにしましょう…と思って文献名をみると、Nature Materials。これはあれですね、つい先日ご紹介した、

DNAでナノチューブを選別する

この話とつながる気がします。どうも、カーボンナノチューブとDNAはこんな関係にあるようです。

さて、この論文では、いろいろなDNAを合成して(短いDNAは人工的に作れますので)、カーボンナノチューブをつつんで、いちいち顕微鏡で観察して、DNAの長さに応じてチューブを太くなることを確認しています。そして、このDNAの末端に硫黄を仕込んでいます。

DNAの末端に硫黄を仕込むのは、これも簡単にできます。こういうのはそういうのを作ってくれる業者があって、ひところそういう会社のベンチャーが一杯できましたが、安売り競争になって儲かっていません。ですので、こういう細工したDNAは素人でも、1万円以下でできてしまうのです。生ものをかまった事がなくても、知識としてDNAの配列を理解していれば…。

で、できたものはカーボンナノチューブが心棒のようにあり、その周りをDNAでくるみ、そしてそのDNAの端っこに硫黄が付いている、そういう棒ということになります。そして、そこへ量子ドットを入れてやると、量子ドットが硫黄にくっついて、ちょうど取っ手のついた提灯みたいな形のものができるというのです。つまり、提灯の部分が量子ドット、手で持つ取っ手の部分がカーボンナノチューブといったところ。

画像を張り込んでみるとこんな感じ。

いや~この手の流行ってるんですね。おいらも参入しよか。。。

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