今日読んだ紙媒体—理系のためのクラウド知的生産術

一般向けと思いきや、論文を読み書きする人をターゲットにした内容でした。我々には役立ちますが、これだと論文なんて扱わない読者は買ってくれるんでしょうか。

非常に具体的で、Google+、エバーノート、ドロップボックス、リメンバー・ザ・ミルク、メンデレイ、Googleドキュメント、スライドシェア、マインドマイスター、ATOKパスポートと、実践的で面白く読めました。

なかで、いくつかはすぐ使えそうなものもあり、買ってよかったかな、と。

ただ、全面的にこういったことをやるか、と言われると、ちょっとためらうところもあります。IT企業で、10年続く会社がどの程度あるでしょうか。会社には常に倒産リスクがあるし、倒産した時は顧客情報が散逸したり、預けておいたものが返って来ないとか、いろいろなことが起こるはずです。それがよくあるので、担保を取ったり、保証人をとったり、保険に入ったり、いろいろな工夫が昔からなされてきたと思うんです。しかし、ネット関連の契約では、その辺がまだまだ甘いのではないでしょうか。そのうえ、企業の寿命が短いとすると・・・・。

一つのビジネスアイデアですが、ITに特化した保険会社というのはどうでしょうか。顧客情報が流出した時に、それによる損害を保証してくれる、といったようなもの。流出させた会社は倒産しているかもしれないのであてになりません。保険会社が保証してくれる、ということになれば、今よりは安心できます。

このクラウドの話でも、秘密な研究成果をクラウドで扱うということですが、それが流出して公開されたために特許性がなくなり、大損害、ということもあり得るわけです。それをどう保証してくれるのかな、というわけです。

それも含め、いろいろ参考になり、おすすめな一冊です。繰り返しますが、論文を読み書きする研究者にピッタリです。

理系のためのクラウド知的生産術 (ブルーバックス)

 

 

 

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